「邪魔をする」を使い分ける
~distract, disrupt, disturb, interfere~
この記事を書いた人✐稲邊倫史
英語の難しさの1つにニュアンスの違い、というものがあります。「辞書で調べると複数の英単語が出てくる!」「それぞれどう違うの?」と思ったことがあるかもしれません。
このシリーズでは、そういったニュアンスの違いとそれぞれの単語の使い分けを、バイリンガル・アメリカ出身のネイティブ両方の視点からお届けします。
※「ニュアンスの違いを知ってより細かに思いを伝えよう」「大きな違いがないことを知って怖がることなくどんどん言葉を使おう」をコンセプトにしています。正しく正確な言葉の遣い方だけを推進するものではありません。
目次
「邪魔をする」は英語で?
今回は「邪魔をする」を表す distract, disrupt, disturb, interfere の使い分け・ニュアンスの違いを見ていきます。
distract は「邪魔をして注意をそらす」
to make someone stop giving their attention to something
Cambridge Dictionary
“distract” には「注意をそらす、気をそらす」と訳され、相手が向けていた集中を別のものに移すという意味で使われます。
物理的ではなく、精神的に相手の邪魔をする場面がイメージされます。
ほとんどの場合ネガティブな意味で使われますが、「気を紛らわせる」という意味ではポジティブな文脈でも使うことができます。
例文
- I can’t study with my friends because they will talk about other things and distract me.
(わたしは友達と一緒に勉強できない。なぜなら、勉強以外のことを話して気が散るから。) - Our boss said we can’t have “Bring Your Pet to Work Day” because it will distract many people.
(私たちの上司は、多くの人の迷惑になるからと「ペットを職場に連れてこれる日」をできないと言った。) - I broke up with my boyfriend and my friends took me a concert to distract me from thinking about him.
(恋人と別れたので、彼のことを考えずにすむよう気を紛らわせるために、友達がコンサートに連れて行ってくれた。)
disrupt は「邪魔をして行為を止める」
to interrupt something and stop it from continuing as it should
Cambridge Dictionary
“disrupt” には「何かを妨害して続くべきものを止める」という意味があります。
邪魔が入ることで、行為や行動が中断するという部分に焦点が当たっています。
例文
- The newscaster said the typhoon will probably disrupt a lot of train lines.
(台風により、多くの列車は止まるだろう、とニュースキャスターは言った。) - I’m sorry for disrupting the meeting with so many questions.
(たくさんの質問で会議を止めてしまってすみません。) - Climate change is starting to disrupt our normal lives.
(気候変動は私たちの日常生活を乱し始めている。)
disturb は「邪魔をして相手を困らせる」
1. to stop what someone is doing or make problems for them, often by making a noise
Cambridge Dictionary
2. to upset someone or make them feel worried
“disturb” には2つの意味があります。
① 誰かがしていることを止めたり、問題を引き起こすこと、しばしば騒音など
② 誰かを落ち込ませたり、心配させたりする
“disturb” を「邪魔をする」という意味で使った場合、問題を引き起こし相手を困らせるというニュアンスが強くなります。
精神的 / 物理的 両方の意味で使えます。
例文
- When you go to the zoo, please don’t tap on the glass because it can disturb the animals.
(動物たちを困らせる恐れがあるので、動物園ではガラスを叩かないようにしてください。) - The police officer was so disturbed by what he saw that he decided to leave his job.
(その警察官は、彼が見たものにとても動揺し、仕事を辞めることにした。) - I don’t like scary movies. Sometimes the scenes are really disturbing.
(ホラー映画は好きではない。ホラーシーンはたまにすごくわたしを不安にさせるから。)
interfere は「邪魔して干渉する」
to try to become involved in a situation that you should not be involved in
Cambridge Dictionary
“interfere” には「関わるべきではない状況に関わろうとすること」という意味があります。
つまり、誰かや何かに干渉するというニュアンスで使われます。
例文
- If you see a baby bird alone, you should not interfere with the situation. The mother will come back.
(もしひな鳥がひとりでいるのを見たら、干渉しないようにしてください。母親が帰ってきます。) - I know you want to help your friend, but you shouldn’t interfere with his family’s decisions.
(友達を助けたいのは分かるけど、家族が決めたことに首を突っ込むべきではないよ。) - A judge cannot allow their personal feelings to interfere with their work.
(裁判官は、仕事に個人的な感情を持ち込むを許すことはできない。)
まとめ
これらの単語が実際どのような場面で使われているか、ぜひ確認してみてください。
See you next time!!