大阪教育大学附属高等学校平野校舎さまの文化祭発表会を見学
2022年9月10日・11日と、大阪教育大学附属高等学校平野校舎様で文化祭が開催されました。今年度弊社が授業企画・運営をしている「イングリッシュサロン」の発表会を見学致しましたので、今回はその発表会の様子をレポートします。
イングリッシュサロンとは?
大阪教育大学附属高等学校平野校舎様からのご依頼で、高校生国際会議に向けて、高校1、2年生の生徒さん(希望者)が、SDGsの課題について英語で考え、英語で発表する力を育てる活動を、毎月1~2回の放課後、学校様と協働で行っております。この活動を「イングリッシュサロン」と呼んでおり、「積極性」「創造力」「実行力」など毎回焦点を当てる能力を決め、英語でのグループディスカッションとプレゼンテーションを中心に進めています。
発表のテーマと形式
発表のテーマは「前期イングリッシュサロンで学んだこと」です。各グループの持ち時間は10分程度で、生徒さんが自身で作成したポスターを用いた発表とオーディエンスとの質疑応答を英語で行いました。
前期イングリッシュサロンで行った内容
文化祭までの全4回の「イングリッシュサロン」は、SDGs#4「質の高い教育をみんなに」をテーマに行いました。各回「積極性」「創造力」「実行力」「論理的思考力」にそれぞれ焦点を当て、教育格差について学びました。文化祭で発表をするにあたり、テーマをさらに3つのカテゴリーに分け、各グループに与えました。グループごとに【問題の原因】と【解決策】をリサーチ・データ収集し、スピーチ内容をまとめていきました。
3つのカテゴリー
① 学校間・地域間のおける教育格差
② 学歴により生じる格差
③ 家庭環境により生じる格差
発表会の様子
保護者、学校の先生が見守る中、発表会がスタートしました。学校間・地域間格差のカテゴリーで、先進国と発展途上国間に見られる教育格差に注目したグループがありました。原因は「教師の不足」にあると仮定し、解決策として講師用マニュアルを作って届けようと発表してくれました。日本のように教育の質が高い国で行われている授業内容をまとめ参考にしながら、マニュアルを作成していくというプランでした。発表後の質疑応答では「先進国と発展途上国では必要な教育が異なるのではないか?」「そもそも、質の高い教育とはなにか?」といったやりとりが行われました。
保護者の皆さまは、生徒さんの様子を頷きながら見届けておられ、学校の先生方は、グループ1つひとつに丁寧なフィードバックを行っておられました。発表した生徒さんにとって、充実した学びの時間になっていた様子でした。
発表会を見学して(講師所感)
今回の発表を聞いて感じたことを、発表態度と発表内容の2点から振り返りたいと思います。
まず発表態度についてです。要所要所で観客を見ながら話すことができていました。大切なところ、強調したいところを相手の目を見ながら伝えることは、意識しなければなかなかできないことだと思います。聞き手へ届けようと意識できている生徒さんが多かったことが、印象に残っています。
次に発表内容についてです。今回「イングリッシュサロンで学んだこと」という比較的幅広いテーマで発表を行いました。そのため、各グループによって発表内容に工夫が見られました。イラスト付きで解決策を重点的に話したグループ、主張を裏付けるデータを調べて発表したグループ、社会課題を知ってどのように自分たちが変わったかを中心に話したグループなど、それぞれのグループが発表の中で何を伝えたいかを明確にできていたと感じました。
高校生国際会議を見据え、中間発表としての位置づけの今回の発表会。発表を終えた生徒さんに話かけると「もう少し練習しておけばよかった」「次は質疑応答で積極的に答えたい」など、今回の発表会を通して各々が次の目標を見つけたように思います。後期のイングリッシュサロンでは、即興での対応力に焦点を当て、対話ベースの活動をさらに増やす予定です。
引き続き、平野校舎の生徒さんの総合的な英語力向上の手助けとなれるよう、尽力してまいります。(稲邊)