【英語コラム:ニュアンス編】
「得る」は英語で?
~get, earn, gain, acquire, obtain~

英語の難しいところの1つにニュアンスの違い、というものがあります。「辞書で調べると複数の英単語が出てくる!」、「それぞれどう違うの?」と思ったこともあるかもしれません。このシリーズでは、そういったニュアンスの違いとそれぞれの単語の使い分けを、バイリンガル・ネイティブ両方の視点からお届けします。

「得る」は英語で?

辞書で調べてみるとさまざまな単語が出てくると思います。今回はget, earn, gain, acquire, obtainの5つに焦点を当て、それぞれの違いと使い分けについて見ていきましょう。使い分けのポイントは「手に入れる対象」手に入れるまでの努力・時間」です。

Getは「一番基本的な得る」

 

Cambridge dictionaryでは次のように出てきます。

to obtain, buy, or earn something; to receive or be given something

Getは「得る」という意味の一番基本的な単語です。手に入れる対象や手に入れるまでの努力などはあまり関係なく、さまざまな場面で使用することが可能な汎用性の高い単語です。日本語に訳される場合、自然な日本語訳になるよう「得る」という訳以外に「もらう」や「買う」、「借りる」などとされることも多いので注意して見てみて下さい。

 例文 

 ・I got a great present from my mom.
 (お母さんからすてきなプレゼントをもらった。)

 ・Could you get some hamburgers at the new restaurant we talked about before?
 (前に話してた新しいレストランでハンバーガー買ってきてくれない?)

 ・Did you get the book you were looking for from the library?
 (探してた本図書館から借りた?)

Earnは「努力に見合ったものを得る」

Cambridge dictionaryでは次のように出てきます。

to get something that you deserve

Earnと聞くと「お金を稼ぐ」という意味が頭に浮かぶのではないでしょうか。もちろんその意味もありますが、Earnには「得る」という意味もあります。この場合、努力に見合ったものを得る」というニュアンスで、自分の行動や努力の対価として受け取る意味合いで使われます。そのためEarnを使うと、それを得るために一生懸命にがんばったという気持ちを表すことができます。
よく続く単語として、Respect、Money、Vacationなどがあります。

 例文 

 ・We all want to be respected by others, but it takes a lot of work to earn it.  
 (わたしたちはみな他人から尊敬されたいが、尊敬を得るには大変な努力絵を要する。)

 ・She’s taking up a new position with a new company to earn more money .
 (もっと多く稼ぐために、彼女は新しい会社で新しいポジションを始める。) 

 ・After he worked so hard, he finally earned his 10 days vacation. 
 (懸命に仕事をし、彼はついに10日間の休みを手にした。)

Gainは「持っているものを増やす or 得になるものを得る」

Cambridge dictionaryでは次のように出てきます。

to something that is useful, that gives you an advantage, or that is in some positive, especially over a period of time

Gainには2つの「手に入れる」があります。
1つ目は「今現在持っているものを増やす」です。例えばよく使われるのはweight(体重)です。その他confidence(自信)やrecognition(認知)、 experience(経験)などを得るときにも使います。
2つ目は「何か
役立つものや有利になるものを得る」
です。自分に得のある何かを得たときに使います。こちらもEarn同様、手に入れるために努力したニュアンスはあるのですが、Earnほど強くはありません。

 例文 

 ・You will gain a lot of experience by taking this special seminar.  
 (このセミナーを通してたくさんの経験を積むことができる。)

 ・ I can gain knowledge if I study something and learn from it.
 (もし勉強してそこから学べば知識を得ることができる。)

 ・He gained millions of dollars in a lottery. 
 (彼は宝くじで数百万ドルも手にした。)

Acquireは「時間をかけて身につける、自分のものにする」

 

Cambridge dictionaryでは次のように出てきます。

to obtain or begin to have something

acquireはgetと同様、単純にものを手にするという意味合いで使うことができますが、その場合やや堅めの表現になり会話ではあまり使いません。また、時間をかけて何かを得るというニュアンスがあるので、簡単に手に入るものではなく重要な何かを得たときに使います。
その他、次の意味を表すときにacquireはよく使われます。知識や学問などを学び習得する習慣等を身につける財産や権利を獲得する」です。

 例文 

 ・It is easier to acquire a foreign language for children than for adults.
 (大人になってからと比べて、若いときの方が外国語を習得しやすい。)

 ・Reading is a habit that once acquired is never lost. 
 (読むことは、一度身につけたら失われることのない習慣である。)

 ・I have recently acquired a big peace of land. 
 (わたしは最近広い土地を手に入れた。)

Obtainは「非常にほしかったものを手に入れる」

 

Cambridge dictionaryでは次のように出てきます。

to get something, especially by asking for it, buying it, working for it, or producing it from something else

obtainは、「困難を乗り越え、非常にほしかったものを得る」です。文語的で堅い表現なので、会話の中で使うよりも文章を書くときや文章を読むときに見かけることが多い単語です。

 例文 

 ・You have to go through a lot of processes to obtain a passport. 
 (パスポートを手に入れるには多くの段階を踏まなければならない。)

 ・There are still many countries where obtaining food is very difficult. 
 (食料の確保が困難な国は今でもたくさんある。)

 ・The documents were obtained illegally. 
 (この資料は違法に手に入れられた。)

まとめ

「得る」を表す単語はさまざまにありますが、この単語にはこれを使わなければならない!というものは多くありません。(例えば、知識をつけるという文章にはGet, Gain, Acquire, Obtain全て使えます)しかし、細かいニュアンスの違いを知っておくと、自分がどのような思いを伝えたいかによって使い分けができるようになります。

  手に入れる対象 手に入れるまでの努力・時間
Get 基本的になんでも 特に考慮しない
Earn 努力に見合うもの・
頑張った対価
努力して
(得られたものは努力に見合う)
Gain 今持っているものを増やす
/ 役立つもの・有利になるもの
努力はさほど関係しない
(得られたものが努力に見合うかは関係ない)
Acquire 重要なもの / 知識や学問
/ 権利や財産
時間をかけて
Obtain 非常に欲しているもの(文語) 困難を乗り越えて

最後に、「私はチケットを手に入れた」という文を見比べてみましょう。

・I got a ticket. (チケットを手に入れた事実を伝える。)

・I earned a ticket. (自分の努力に見合うというニュアンスが加わる。)

・I gained a ticket. (役に立つ・有利になるというニュアンスが加わる。)

・I acquired a ticket.(時間がかかったというニュアンスが加わる。)
※会話ではほとんど使わない。

・I obtained a ticket. (困難を乗り越えたというニュアンスが加わる。)
※会話ではほとんど使わない。

 

いかがでしたか?今回の記事を参考に、自分の思いをより細やかに伝えてみてください。

次回もお楽しみに!