言葉の使い方改革!知っ得コラム
第2回:些細な言い間違い

言葉のコラム第2回!…その前に。

皆さんこんにちは。この猛暑で体が溶け出すのではないかと心配している浅井です。
最近はとみに暑くなりましたね。
熱中症の患者が昨年の7月16~22日で約7,000人だったのに対し、
今年は同じ16日~22日でなんと、約22,000人とおよそ3倍の数です(総務省消防庁より)。
今年の暑さは災害である、ということばにも頷けます。

人は「正常性バイアス」という意識が働いているらしく、
「自分だけは大丈夫だ」と漫画の主人公のように危機を乗り越えられると考えてしまいがちです。
各人におかれましては早め早めの暑さ対策を心がけていただきたいと思います。

さて、本題に入りましょう。

本題!よーく読んでみてください!

次の文を読んでみてください。

①とんでもございません。お客様は神様です。
②そんなしかめっつらしい顔で営業に行くなよ。
③やっつけ仕事で報告書を書いていると、後で後悔するよ。
④あんまり気にするな。上には上がいるんだから、たまには下も見てみな。

さて、上の文章はよく見る言葉ばかりで、違和感がなく読めたかと思います。
ですが、何か引っかかった方もいらっしゃったのでは。

この中で、間違った言い回しをしている文章があります。
どれでしょう(複数回答可)。

 

答えは・・・

【①, ②, ③, ④】でした。全部です。

正しい言い方と解説がこちらです。

とんでもないことでございます。お客様は神様です。
②そんなしかつめらしいで営業に行くなよ。
③やっつけ仕事で報告書を書いていると、後悔するよ。
④あんまり気にするな。上には上があるんだから、たまには下も見てみな。

解説!

①とんでもないは1語!

「とんでもない」はそれで1語の形容詞となっていまして、「ない」をそのまま「ございません」に差し替えることは言葉のかたち上、不可能です。
ですから、【とんでもない+ことです】 あるいは【とんでもない+ことでございます】
といった言い方が正しいと言えるでしょう。
ただ、言葉というものは常々変化、流体でありますので、とんでもございません、という言葉遣いも完全に浸透してしまえば、「そういうものだ」と思われるかもしれません。

②しかめっつら≠しかつめらしい顔

このブログを読んでいる皆さん、「しかめっつら」を作ってください。
そう、まゆを寄せて、不機嫌な顔にしてください。
これがしかめっつらです。
「しかめている顔」のことを「しかめっつら」というわけです。
【しかめっつら】は名詞ですから、「しかめっつら+しい」という言葉はありません。
本当に人がしかめっつらをしているのなら、「そんなしかめっつらで営業に行くな」と言えるでしょう。

今回の文では、本来のしかつめらしいの言い間違いで「しかめっつら」を出しましたが、
「しかつめらしい」の実際の意味を確認してみます。
【まじめくさっていて、堅苦しい感じがする。もったいぶっている。】(大辞林)
無表情の堅苦しそうな顔、という感じでしょうか。
ちなみに鹿爪らしいとも書くのですが、当て字です。
また、語源を辿るとなかなか面白く、「然りつべくあらし」が語源だと言われています。
簡単に訳すと「そりゃそうでしょ、って感じの」って意味ですね。

相手が不機嫌そうな顔なら「しかめっつら」
相手が堅苦しい表情なら「しかつめらしい」で覚えておいてください。

③重言に気を付けて

重言とは、重なる言葉の通り、ほぼ同じ意味の言葉を重ねて使ってしまう表現のことです(二重表現とも言います)。

後悔の意味は【後になって悔やむこと】という意味ですから、
「後で後悔するよ」➡「後で後になって悔やむよ」と、おかしい表現になります。
重言は今回のようにあまりスマートとは言えない表現なのです。

この重言が、存外に多く、私自身も多分に漏れずつい言ってしまいます。
個人的によく聞く重言の三羽烏がこちら。

1.~痛が痛い(筋肉痛、頭痛、腹痛など)
2.まず最初に、一番最初に(最は一番という意味)
3.あらかじめ予定しておく(予定→あらかじめ定めておく)

④上には上が・・・?

「どんなに良いものであったとしても、優れた物が必ずある」「物事に限度はない」という意味で使われますが、
正しくは「上には上がある」と言います。
こういった言葉はことわざであったり慣用句であったりと、すでに形が決まっているのでそのまま覚える方がよろしいでしょう。

今日のまとめ

①とんでもございません ➡ とんでもないことでございます
②しかめっつらしい   ➡ しかつめらしい
③後になって悔やむ・・・➡ 重言にご注意を
④上には上がいる    ➡ 上には上がある

 

 

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