日本語から英語へ訳す3つのコツ
~推しメンを英語にできますか?~

この記事を書いた人✐引間千尋

英語で何かを伝えたいとき「言いたいことをうまく英語にできない」という経験はありませんか?それは、日本語をそのまま英語にしようとしているからかもしれません。

今回は、Global Leadersが誇るバイリンガル講師引間が『日本語から英語へ訳すコツ』について説明します。最後に確認問題も用意しました。これを読んで英語がスッと出てくる第1歩を体験してみてください‼

英語へ訳するヒントは「翻訳」の考え方

日本語を英語へ訳するポイントは、ずばり 翻訳 にあります。

そのまま英語にする直訳をまずはイメージしてみてください。自分の言いたい内容に対応する英単語や表現を探し、置き換えながら訳していきますよね。

対して翻訳では、言いたい内容を解釈する、というステップが加わります。原文をそのまま訳するのではなく、伝えたい内容を翻訳者が理解し、その理解を英語で再表現します。

直訳・翻訳の2パターンで訳した次の文章を読んでみましょう。

「彼は頑固だ」

直訳:He is stubborn. ※stubborn=頑固な
翻訳:He doesn’t listen to others. (彼は他の人の話を聞かない。)

直訳の方では「頑固だ」に当たる単語 “stubborn” を使って表しています。対して翻訳では「頑固だ」という日本語を「他人の話を聞かない」と解釈し、英語に訳しています。これが直訳と翻訳の違いです。

今回お話しするコツは、この「翻訳のイメージ」が関わってきます。直訳できるものは良いとして、直訳できないものをいかに再解釈するか、が大切です。

日本語から英語へ訳す3つのコツ

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反対の意味で考える

1つ目のコツは「反対の意味で考える」です。具体的に言うと、肯定の文は否定に、否定の文は肯定にして訳す方法です。

例えば「彼はわたしたちの意見を却下した」という文の中で「却下する」という英語が分からない場合を考えます。「却下する」というのは肯定なので、これを否定で解釈します。「認めない」「受け入れない」「賛成しない」など、自分の言いやすい表現を探し、”He didn’t accept our opinions.” などと表現できます。

1文を細かく分けて考える

2つ目のコツは「長い1文を細かく分けて考える」です。日本語が1文だからと言って、英語も1文で言わなければいけない、というわけではありません。日本語は比較的文章が長くなりやすい言語なので、そのまま訳そうとすると大変なのです。

例えば「わたしの故郷には有名な桜の木があり、それは巨大な岩の割れ目から生えていて、毎年たくさんの人が見に来る。」なんて文を一気に訳そうとするのではなく、分解して考えます。基本的には点で切ると良いです。

「わたしの故郷には有名な桜の木がある。それは巨大な岩の割れ目から生えている。毎年たくさんの人が見に来る。」と3つの文にしました。

“My hometown has a famous cherry blossom. It grows from a crack in a giant rock. A lot of people love to visit this tree.”

1つの事柄を複数の表現で考える

3つ目のコツは「1つの事柄を複数の表現で考える」です。言葉の意味を状況に応じて何パターンかで説明します。対応する語句を探すのではなく、その言葉をいかにかみ砕いて複数表現できるか、ということです。

「ガヤガヤ」や「くたくた」などの擬音語や擬態語、若者言葉や流行語、難解な言葉などは特に、それってつまりどういうこと?を説明していく必要があります。

例えば「ガヤガヤ」を考えてみましょう。「ガヤガヤ」は「混んでいる」「うるさい」「それぞれが話をしている」など様々に解釈できます。”crowded” “noisy” “each person speaks individually” など、言いたい内容や状況に合わせて表現を選びます。

やってみよう‼

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それでは、上記のコツをもとに、次の文章の英訳にチャレンジしてみましょう‼

問題

① 彼は人のことを見下すようなタイプの人間には見えない。

② 推しにたくさんの愛を与えるべく、今日も仕事に勤しむ。

③ コツコツと積み上げてきたことは、いつか日の目を見るだろう。

解答例と解説

① He doesn’t look like a person who doesn’t show respects to others.

「見下す」という表現を「尊敬を示さない」としました。
look like を strike me as にしてもOKです。”strike me as” で「~と感じさせる、~と印象付ける」という意味です。

② I work hard as usual to give lots of love to my absolute favorite.

「推し」は「絶対的なお気に入り」、「~するべく」は「~するために」、そして「今日も」とは「(今日を含め)いつもと同じように」と捉えています。

③ The efforts which you have made day by day will lead you to be successful.

「コツコツと積み上げた」は「毎日のようにしている努力」、「日の目を見る」は「成功に導く」としています。”come to fruition”「努力が実を結ぶ」という表現を知っていたら、will 以下に入れても良いです。

まとめ

日本語から英語へ訳す3つのコツ
    反対の意味で考える
    1文を細かく分けて考える
    1つの事柄を複数の表現で考える

英語を話すことに慣れてくると日本語を介さずに、英語で考え英語で話せるようになると言われますが、勉強し始めのときは、そのレベルになるまでの様々な練習をしていくことが大切です。

この直訳せずに他の表現を考える、という練習は、英語を使いこなせるようになるための、とても大事な練習です。

日本語と英語は、言語が違うため、直訳できない言葉もたくさんあります。日本語をそのまま英語に直訳しようとせずに、まずは伝えたい日本語を他の表現で考えてみてください‼

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