「気づく」を使い分ける
~notice, realize, recognize~
この記事を書いた人✐稲邊倫史
英語の難しさの1つにニュアンスの違い、というものがあります。「辞書で調べると複数の英単語が出てくる!」「それぞれどう違うの?」と思ったことがあるかもしれません。
このシリーズでは、そういったニュアンスの違いとそれぞれの単語の使い分けを、バイリンガル・アメリカ出身のネイティブ両方の視点からお届けします。
※「ニュアンスの違いを知ってより細かに思いを伝えよう」「大きな違いがないことを知って怖がることなくどんどん言葉を使おう」をコンセプトにしています。正しく正確な言葉の遣い方だけを推進するものではありません。
目次
「気づく」は英語で?
今回は「気づく」を表す notice, realize, recognize の使い分け・ニュアンスの違いを見ていきます。
notice は「感覚で気付くこと」
to see something and be aware of it
Cambridge dictionary
“notice” は「気づく、気がつく」と訳されます。
“notice” が表す気づきは、大きく分けて次の2つです。
① 感覚(五感)で気が付いたとき
② 考えることなしにすぐに気がついたとき
例文
- I noticed there’s an extra pen on my desk. Is this yours?
(机にペンが余ってる(のに気づいた)。君の?) - Did you notice Mark is always sleeping in class? Is he doing alright?
(マークがいつも寝てるの気づいてた?大丈夫かな。) - You may not notice someone is gaining weight if you see them every day.
(毎日会っていると、その人の体重が増えているかどうか気づけないかもしれない。)
realize は「考えて気づくこと」
to notice or understand something that you did not notice or understand before
Cambridge dictionary
“realize” は「以前は気がつかなかったり理解していなかったものに、気づいたり理解したりすること」です。
例えば、前は分からなかった問題の解き方に後から気がついたり、後から考えた上で悟る、といったときに使います。
感覚で気付く”notice” と比べ、気づくまでに考える行為が入り、頭で理解するといった意味合いが強いです。
例文
- I didn’t realize he felt that way until now.
(彼がそんな風に感じているなんて今まで気づけなかった。) - Now I realize this word is very offensive, so I won’t say it ever again.
(今やっとこの言葉がとても不快なものだと気づいた。もう二度と言わないよ。) - Once the weather started to get hot, he realized his dog would need a haircut soon.
(気温が高くなり、彼は犬の毛をカットする必要があると気づいた。)
recognize は「情報を元に再認識して気付くこと」
1. to know someone or something because you have seen them before
Cambridge dictionary
2. to accept that something is real or truth
“recognize” は「以前見たことがあるため、誰かや何かを見て気がつくこと」、または「真実であると受け入れること」です。
1つ目の意味は、自分の持っている情報を元に判断し、再認識をすることで気がつくことを表します。見覚えがある、といったニュアンスで使われることもあります。”realize” と同じように、考える行為が必要になってきますが、異なるのは前に見た情報を元に判断するかどうかという点です。
2つ目の意味は、受け入れて気づくというニュアンスも含んでいます。例えば、自分の過ちに気づく(受け入れる)といった感じで使われます。
例文
- This is an award to recognize your hard work.
(これはあなたに自分の頑張りに気づいてもらうための賞です。) - I didn’t recognize the phone number, so I didn’t answer.
(電話番号に見覚えがなかったので出なかった。) - You have to recognize your flaws before you can make improvements.
(改善をする前に自分の弱点に気づく必要がある。)
まとめ
「気付く」と一言で言っても、「どのように」気付くのかによって使うべき単語が変わってきます。このニュアンスの違いを意識して、以下の英文を読んでみましょう。
I noticed you changed your hair! I like it.
(髪切ったの気が付かなかったよ!いいね!)
⇒目で見て気付いたとき
I didn’t realize you go to this school.
(君がこの学校に通っていたなんて気付かなかったよ。)
⇒前は気付かなかったことに後から気付いたとき
I didn’t recognize you! You look so grown up now!
(君とは気付かなかったよ。大人になったね!)
⇒前に見た情報を元に判断し気付いたとき
これらの単語が実際どのような場面で使われているか、ぜひ確認してみてください。
See you next time!!