アカデミー賞について英語で話そう
~Rami Malekの受賞スピーチから学ぶ~

毎年2月末から3月初めにロサンゼルスのドルビー・シアターで授賞式が行われる映画の祭典「アカデミー賞」。今年2021年は、4月26日(月)日本時間午前9時頃より開催されます。

今回は「アカデミー賞」にまつわる英語表現と2019年に主演男優賞を受賞したRami Malekのスピーチを見ていきましょう。

「アカデミー賞」と「オスカー」の違いは?

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日本では「アカデミー賞」という名で浸透しているこの映画祭、「オスカー(Oscar)」という言葉も聞いたことはありませんか?

オスカーというのは、上の画像の像のことです。授賞者が受け取るこのオスカー像にちなみ、英語圏ではアカデミー賞のことを単に “Oscar” と呼ぶ人も多いそうです。(ちなみに、アカデミー賞の公式ウェブサイトでは The Oscars / Academy Awardsと表記されています。)

アカデミー賞にまつわる英語表現

「人」に関する英語表現

まずは、人に関する英語表現を見ていきましょう。

Host
“Host” はいわゆる司会者です。授賞式を盛り上げ、進行をスムーズに行うためには欠かせない存在です。しかし、2019年に初めて “ホスト不在” のアカデミー賞が行われ、2021年今年もホストなしで式が行われることが発表されました。
Guests
“Guests” は、授賞式に招待された人々のことで、映画業界における重要な人物たち(監督や俳優、女優など)です。授賞式とはまた別に、ゲストのレッドカーペット登場も毎年話題になります。各人の豪華な衣装にも注目が集まります。
Presenters
“Presenters” は、それぞれの部門のノミネートを発表します。多くの場合、著名な俳優・女優がこの役に選ばれます。封筒を開き、受賞者の名前を読み上げるシーンは有名ですね。
Nominees
それぞれの部門の受賞候補者を “Nominees” と呼びます。日本語では「ノミネート」とされます、英語では “Nominees” です。各部門ごとに、たいてい5枠用意されています。
Winners
候補者の中から見事選ばれ、ステージ上で受賞する人たちを英語では “Winners” と呼びます。

「部門」に関する英語表現

次に、全23部門の英語名を見ていきましょう。

  • Actor in a Leading Role / Actress in a Leading Role 主演男優賞 / 主演女優賞
  • Actor in a Supporting Role / Actress in a Supporting Role  助演男優賞 / 助演女優賞 
  • Animated Feature Film  長編アニメ映画賞 
  • Cinematography 撮影賞
  • Costume Design 衣装デザイン賞
  • Directing 監督賞
  • Documentary (Feature) 長編ドキュメンタリー映画賞
  • Documentary (Short Subject) 短編ドキュメンタリー賞
  • Film Editing 編集賞
  • International Feature Film 国際映画賞
  • Makeup and Hairstyling メイクアップ&ヘアスタイリング賞
  • Music (Original Score) 作曲賞
  • Music (Original Song) 歌曲賞
  • Best Picture 作品賞
  • Production Design 美術賞
  • Short Film (Animated) 短編アニメ映画賞
  • Short Film (Live Action) 短編実写映画賞
  • Sound 音響賞
  • Visual Effects 視聴効果賞
  • Writing (Adapted Screenplay) 脚色賞
  • Writing (Original Screenplay) 脚本賞

Rami Malek の受賞スピーチ

最後に、2019年に主演男優賞に輝いた Rami Malek の受賞スピーチを見てみましょう。字幕を切り替えられるので、ぜひ最初は字幕なしで聞いてみてください。いくつかの難しいフレーズは後から解説しています。(動画は4分弱です。)

My dad didn’t get to see me do any of this, but I think he’s looking down on me right now. (1:59)

“Look down on~” と聞くと “look up to~” の反対の意味、「見下す」という意味を想像する人も多いかもしれません。確かにそのような意味もありますが、今回は文字通り「見下ろす」という意味で使われています。文脈によってどちらの意味になるか、判断する必要があります。特にこのスピーチの中では、亡くなった父親が天国から見てくれている、といったニュアンスを含んでいます。

I’m so appreciative to all of you, to everyone who has had a hand in getting me here. (2:11)

“have a hand in~” で「(何かの活動に)関わる、参加する」という意味です。今回のようにポジティブな意味から「犯罪に手を染める」といったネガティブなものまで、幅広く使われる表現です。

To the people who took a chance on me, every step of the way. (2:22)

“Every step of the way” は直訳すると「その道のすべてのステップ」です。今回は「あらゆる面において、始めから終わりまでずっと」といったニュアンス で使われています。

I think about what it would have been like to tell Little Bubba Rami that one day this might happen to him. And I think his curly-haired little mind would be blown. (3:17)

“mind would be blown” 直訳すると「心が吹き飛ばされるだろう」ですが、それほど「びっくりしている」という驚きの感情を表しています。”mind-blowing” や “blow your mind” といった形でも使われることが多いです。

We made a film about a gay man, an immigrant, who lived his life just unapologetically himself. (3:41)

“unapologetically” 少し長い単語ですが一つずつ見ていきましょう。「謝罪」を表す “apology” の副詞 “apologetically” で「謝って、すまなそうに」という意味になります。そこに、否定を表す接頭辞の “un” が付いて「謝罪せずに、悪びれずに」という意味です。ネガティブに聞こえますが、今回の文脈で見てみるとポジティブな使い方をされています。もし誰かが自分自身に “unapologetically” であるならば、自分自身に悪びれていない、つまり「ありのままの自分に満足している」というニュアンスになります。

You have captured my heart. (4:39)

Ramiはこの言葉で彼女と共演者に感謝を述べ、スピーチを終えました。”capture my heart” で「心を捉える、虜にする」という意味になります。とてもロマンティックな表現ですね。